ケモノドールができるまで(工程紹介)2025/12/20 改訂

皆さんこんにちはこんばんは。ケモミミ本舗たぬぬです。

今日は当工房のケモノドールがどうやって作られているのかご紹介したいと思います。

デザインからパーツの作成まで

当工房のケモノドールは全てケモミミ本舗オリジナルデザインです。
手描きで作ったデザイン画からBlenderという3Dソフトを使って人形や雑貨を設計しています。

デザインをデータ化したものを3Dプリンターで出力してパーツを作ります。
パーツの数は全部で12個あります。(アイを除く)

3Dプリンターは光造成タイプのものを使っています。

一度スタートすると、終わるまで成功か失敗かほぼ分からないので毎回成功を祈ってスタートボタンを押してます。
気候による影響(温度や湿度)やレジンの商品による違いやクセ(性能的なもの?)によって失敗も結構出てくるので、成功率はそこまで高くはないのが悩ましいところです。

1回のプリントで2時間から5時間くらいかかります。(大きさによりけりです)
当工房で所有しているプリンターで1度でプリントできる量はケモノドール1体分くらいです。

使用しているレジンは環境に影響の少ない、水洗いレジンです。

これをちまちま繰り返してパーツを作っていきます。
稼働するたびに調整もするため、1日フル稼働させて最大5体分程度が限界です。

塗装の準備

パーツを塗装できる状態にするために2つのことをします。

1. パーツ表面の凹凸の修正
2. 関節部の針金通しとボディ・手のひら・しっぽの磁石の仕込み

1つ目の凹凸の修正は、3Dプリントをするとどうしてもできてしまう小さな穴埋めや表面の段差をなめらかにする作業です。

削って穴埋め(レジンやパテを使います)して、削って穴埋めして…を繰り返し、根気強く表面を整えていきます。

ここの工程が1番時間が必要で、体感として作業工程の9割くらいと言っても過言ではないくらい精神力も必要とされる工程です。

手を抜くと後で痛い目に合うので、しっかり時間をかけて行います。
(真夏など環境が悪い場合はこの工程だけで2週間以上かかることもあります)

2つ目の作業の針金通しは人形を組み立てるときに体に通すゴムを引っかけるために必要となるものです。

両肘と両膝の4か所に入れます。
磁石はネオジム磁石を使っています。市販のお人形の磁石って弱いことが多いですが、うちは国内メーカーから購入した強力磁石にしてます。

磁石はおしりとしっぽ、手のひらに入れます。

下地の塗装

下地は塗装の準備段階でカバーしきれない細かい傷を確認しやすくできるとともに、それらを埋める働きもします。
(あれだけ磨いても傷は残るんです!不思議!助けて!)

下地塗装→傷がある部分の表面をならすように研磨する→研磨カスを取り除く

これを1ターンとして、大体3〜4回繰り返してようやく塗装の準備が完了となります。

1ターン経るごとに研磨する目を細かくしていって、この段階では最終的には1500番を使って研磨します。

ここまで来てようやく、人形の表面が完成時に近い滑らかさになります。
(ここからさらに塗装を重ねるので、さらに滑らかになります)

塗装(第1層)

塗装の第1層は塗装自体の下地の感覚で行っています。
主に白1色で塗っています。

塗装→乾燥

を大体3〜4回繰り返します。

ここで見つかる細かい傷も結構あるので、その場合は傷の状態によって最初からやり直すか、前段階の下地(+研磨)からやり直します。

塗装が終わった段階で一度コーティング剤をかけて完了です。(コーティングは2回以上かけます)

塗装(第2層以降)

模様や重ねる色のある時はさらに色を変えて塗装を続けます。
この工程も大体3回以上繰り返します。

色が複数ある場合はその数の分だけこれらの工程が繰り返されます。
コーティングは色が終わるたびにかけます。

オーダー塗装で複雑な模様を塗る時はマスキングテープなどを使用して塗装を行います。
基本的に塗装はエアブラシで行いますが、場合によっては筆やスポンジも使用します。

表情づけ

お口や肉球などの色付けをします。
さらにここでもコーティングします。

塗膜強化作業

塗装面はコーティング塗装で保護はされていますが、このままでは、紫外線による褪色や手で触ることによる剥がれがどうしても起きてしまいます。

そのため、ケモミミ本舗では「全てのパーツで」表面をさらにガラスコートによりコーティングし、塗膜強化を行っています。

ガラスコートはコート剤を塗布してから2時間以上乾燥を必要とするため、一度に作業できるのは(作業スペースの関係で)1日3体までです。

この作業は塗膜面をとても丈夫にしてくれますが、表面がテッカテカになってしまうことが唯一の欠点でもあります。

注意:塗膜面強化はかなり向上しますが、落下による傷やぶつけた時の傷を完全に防ぐことはできません。

アイの作成

人形に入れるアイ(目)を作ります。

2025年12月現在、アイは2種類作成しています。

レジンアイとガラスカボションアイ(簡易グラスアイ)です。

レジンアイ

ヘッドに合うようにPCでデザインして3Dプリンターで出力したアイに色づけし、瞳の部分を作ります。

この工程が未だに苦手で、きちんとアイができあがる成功率は今のところ8割くらいです。
早く上手に作れるようになりたいです…

狼ドールはレジンアイのみの対応となります。
(直径4mmと小さいため)

ガラスカボションアイ(簡易グラスアイ)

グラスアイは土台のみ3Dプリンターで作成し、その上部分にアイホールに合わせたガラスカボションを使って作成したアイを接着して作ります。

狼ドール以外の全てのドールに対応しています。

組み立ての準備

塗装と塗膜強化作業が終わるといよいよ組み立てです。

関節部分にゴムを引っかけるための小さなS字フックを針金で作ります。
(このS字フックも全て手作業で作成しています)

関節の針金にフックをつけて腕と足がつながるようにX字に体内にゴムを通して組み立てます。
この作業は1体 5分 程度かかります。

頭にアイを装着します。

注意:アイをはめるためにまず頭部のフタを開けますが、人形によって多少開けやすさが違います。
手だけで外せない場合は、隙間部分に薄くて硬い板状のもの(薄めのカッターナイフの刃の背中の方など)を入れ、フタを傷つけないように少しずつ動かして開けるようにしてください

アイは周囲を柔らかいパテ(くっつき虫など)で埋めて頭部から外れないようにします。
アイの交換時にはこのパテを除去して改めて新しいパテでアイの周囲を埋めるようにします。

長期間パテをつけたままにしておくと頭部と固着する部分ができたりしますが、その場合は先の丸いピンセットなどで除去するようにしてください。
パテ同士でくっつけると剥がれやすくなるので、パテをペタペタして除去するのが1番早いかもしれません。

しっぽをつけます。
しっぽは磁石でくっつくだけですので、好きな向きにつけてお楽しみください。
お洋服を着せたり椅子に座らせたりするときは外すことができます。
(小さいパーツですので紛失にご注意ください)

組み立てをして全体のバランスや傷の有無などを確認してからできあがりとなります。