アニマルセラピーと獣医さんの役割

皆さまこんにちはこんばんは。ケモミミ本舗です。
ウチのイヌが全力で癒してくるので今回は動物が癒しになる事象について話をしたいと思います。

アニマルセラピー、もうすっかりあたりまえに使われる言葉になりましたね。
そこに獣医師はどう関わっているのでしょうか。

アニマルセラピーとは

言葉の意味としてはGoo辞書が分かりやすかったので引用すると、「動物との交流による心理療法。病院や介護施設、障害者施設などで、動物とのふれあいによる精神的影響を治療に役立てること。アニマルセラピー。動物介在療法。」となります。

これは「アニマル・アシステッド・セラピー(animal assisted therapy)」あるいは「ペットセラピー」と呼ばれ、犬や猫だけでなく、馬、ウサギ、ヤギ、豚、鳥などさまざまな動物がセラピーアニマルとして活用されています。

中でも犬猫のペットセラピー効果や馬のホースセラピーが有名ですね。
一例として犬の場合を下に書きます。他の動物においても基本的な構造は犬の場合と同じです。

犬によるセラピー効果

犬は大昔に家畜化されてから人間と共に過ごしてきた歴史も長く、群れでの行動に慣れていることから人間の感情に対してとても敏感に反応します。

単純にペットとして関わり合うことで癒してくれるだけでなく、病院、老人ホーム、幼稚園などで犬が訪問してセラピーを実施することはよく知られていますね。
具体的な活動内容は場所や目的によりますが、一般的には犬と遊んだり、犬の世話をしたりすることで癒しを得ます。

一般論となりますが、ドッグセラピーには、ストレスの軽減や他者とのコミュニケーション能力の向上、物理的なリハビリテーションの補助(散歩は飼い主の身体活動を増やします)、「緊張する必要のない相手」(←これすごく重要ですよね)としてのリラックス効果などさまざまな効果があります。

猫とは違って犬の場合、セラピーに使用される犬は特別な訓練を受けます。
また人との関わり合いは犬にとってストレスもかかるので、人間好きで社交性に秀でた犬でないと犬に負担を与えることになってしまいます。適切な訓練を受けた犬は、人への攻撃性がなく、人間との交流を楽しむことができます。
一般的に大型犬は穏やかで社交的な性格の犬が多いので、セラピーでもそういった犬種がよく使われるようですね。

アニマルセラピーをしてくれる動物に獣医師ができること

何回も言いますが獣医師は最終的に「人間のために」存在しています。

なので「人を癒すという大仕事を成し遂げることができるように」動物を肉体的に適切な状態に保つことが獣医師が「その動物にできること」になります。

肉体をケアすることに対しても獣医師は主体的に動けないので、その動物を管理する個人もしくは団体が依頼する内容までしかできません。
だいたい健康診断とか、なんらか病気になった時の対処とかでしょうか。
一般的な飼い主さんたちと同じですね。

精神的なケアも可能であればしますが、獣医師にできるのは「セラピーを行う環境」をその動物にとってできる限りストレスのない状況にするようその実施者にアドバイスすることくらいでしょうか。


実際、獣医師というのは動物を通して人間を相手にしか仕事ができないので、もどかしい思いをすることが多々あります。
対応する動物も、ペットであれ経済動物であれ野生動物であれ、全て人の思惑によって対処する内容が限定されます。(だいたいが金銭的な理由ですね)


いつだって現実はしがらみばかりですが、動物からの「一方的な好意の搾取」にならないように精一杯できることはしていきたいものです。

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