イッヌの中毒、その原因と症状

今日は中毒の話。
梅雨時になると必ず話題になるのが食中毒ですね。

食中毒は食中毒菌やウイルス、カビ、中毒性のある植物や化学物質等々を摂取することによって起こるもので、嘔吐や下痢などを引き起こします。寄生虫でもなったりします。
体力によっては死亡することもあるとても怖い病気です。

食中毒についての詳しい内容はこちら→ 食中毒|厚生労働省

イヌの食中毒と症状

イヌももちろん菌やウイルス、カビ、植物などで食中毒になりますが、単純に特定の食品についても中毒を起こします。

有名どころでは「玉ねぎ」「チョコレート」「ネギ」「ニンニク」「キシリトール」あたりでしょうか。
ブドウ(レーズン)の多量摂取で中毒を起こした事例もありましたね。

細菌やウイルスによる感染性の食中毒では症状も一般的に想定されやすい下痢や嘔吐が主なものになりますが、これらの食品による中毒ではもっと器質的なダメージを起こすので、ダイレクトに貧血を起こしたり血尿を出したり低血糖になったりします。

よく「どれだけ食べたら危ないの?」とか「ひとくちだけでもダメ?」とかの質問が出ますが、これは完全に「個体による」もしくは「その時の運次第」としか答えようがありません。
玉ねぎをたくさん食べてしまってもちょっと血尿を出すだけで終わってしまう子もいれば、ほんのひとかけら食べただけで即入院にレベルになってしまう子もいます。(一概に大きい犬種だから大丈夫ということもないと思います)

中毒(食中毒も含む)の治療は対症療法と呼ばれる、症状の緩和を目的とする治療が行われますが、動物の場合はじっとしていることが難しくその対応も必要となるので、なかなか大変です。

1番の対応は「与えない」ことですが、特定の食品の場合はそれができても散歩中に生えてる植物を食べて起こすような中毒の対応は難しいので、なんでも食べてしまうようなワンちゃんの場合は散歩コースの植生をみておいた方がいいかもしれませんね。

そのためにはもちろんこれらの精度を上げるための飼い主さんの知識の向上もとても大切になってきます。あれもダメこれもダメで大変ですが。
人が食べているものを与えないというだけでもかなり安全域は広がります。

(おまけ)動物の中毒

実はこういった食性による中毒は、動物の世界ではごく普通に存在しています。

ネコでもイヌと同じようにネギやチョコは禁忌ですし、ちょっとズレますが時々話題になる百合の花の中毒(花瓶の水を飲んでしまって中毒になったという事例)や鳥の鉛中毒のようなものまでペットの中毒の原因になる物質は食べ物だけでなく生活環境に溢れています。

また、ペットからは離れますが、家畜の世界でも中毒はあります。

牛は草を食べますが、その草の中でもワラビやキョウチクトウなど中毒を起こすものはわりと存在します。
放牧中じゃなくてもモロヘイヤの実を与えたら中毒になったなんてのもありました。(死亡例もあります)

豚ではジャガイモ(ジャガイモの芽でしょうね)で中毒を起こした事例もあります。塩の摂りすぎ水の飲み過ぎでも中毒になります。
他にもネズミ対策で置いてある殺鼠剤に含まれる有機リン系を舐めてしまって中毒になる事例もありました。

いずれにしてもペットや家畜に関しては人が管理できることがほとんどなので地道に原因物質を排除していくことが大切だと思います。

ところで、ここまで読んできて気づいた方も多いと思いますが、動物の中毒を起こす食べ物、人間はほとんど食べれますよね…
食い意地が張っているのか生き残る意欲が強すぎるのか、さすが地球を席巻した生き物、と言ったところでしょうか。

げに恐ろしきは…ですね。

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