獣医さんになるためにはいくつかの試練を乗り越える必要があります。
今回はそれを5つにまとめてみました。
1つ目:学力
動物であっても医療職になろうというのですからある意味当然かもしれませんが、最近はどこの大学も偏差値が高くなっており、受験生は人並み以上の学力を要求されます。(むしろ人間の医師の方が大学のランクが幅広く受けやすいくらいです)
重要視されるのは理数系ですが、理科の専攻を生物にしようと思わなくても大丈夫ですよ。物理や化学の方がライバルが少ないので高得点が取れるなら迷わずに物理化学行っちゃいましょう。また、英語の学力は必須です。(私は英語がダメだったのでホントに苦労しました…)
2つ目:長い大学生活と高い授業料
獣医師免許を取るためには大学に6年通う必要があります。大体の大学が1年目が「教養」と言われる高校の授業の延長のような科目が中心で、2年目から専門(獣医学)に入っていきます。
6年通うことによる授業料もかなりきついです。国立はまだ安いですが、私立になると当たり前に100万200万いくので、奨学金を考える場合はよくよく計画的にならなければなりません。自宅から通える場合と賃貸になる場合でも大きく変わってきます。
3つ目:肉体的にも精神的にもキツい大学での授業
座学は時間どおりに終わりますが、実験系、体験系はまともな時間で終わることはほぼありません。
しかも内容が動物の生き死にに関わってくる物も多いので精神的にもキツくなってきます。いわゆる「動物が好き」だけではこれを乗り越えるのは辛いかもしれません。
獣医師は時に人間や経済を守るために動物を犠牲にする選択をします。この部分を感情論で見ることしかできないと自分自身を追い詰めることにもつながります。愛玩動物は人間並に扱われるので当てはまらないこともありますが、安楽死など避けて通ることのできない問題もあります。
4つ目:体力
基本的に従医師の仕事は動物に関わる限り肉体労働ですので、体力はあるに越したことはありません。(体力のない人でもできることはあるのでご心配なく)
筋肉で解決しましょう。
5つ目:いつまでも続く勉強
大学が終われば勉強は終わりではありません。
むしろ「大学が終わってからが本当の勉強の始まり」です。
好きな動物についての勉強は楽しいですよ。動物のためにも飼い主のためにも自分のためにも勉強し続けましょう。少しずつでもやり続けたもの勝ちです。10年後20年後に大きな差となって出てきます。
まとめ
獣医さんは愛玩動物だけではなく、食肉衛生分野や検疫、動物園、製薬関係、防疫等々、広い分野で活躍できる職種です。学費のわりには給料が高くないので獣医になって儲けようというのは難しいですが、十分に誇りを持って働ける職種です。
また、最近の若い人たちは本当に勤勉で優秀です。いずれその人たちから学べない老兵は駆逐されていくでしょう。
働いているうちにその業界の矛盾や理不尽さにぶち当たるかもしれませんが、大丈夫、また、転職でも開業でもフリーランスでもいろいろな道があります。自分を信じて歩いていきましょう。