咬み傷は怖いっていう話

皆さまこんにちはこんばんは。ケモミミ本舗です。

先日、「コモドドラゴンがイラクの村を襲って羊を21頭食べた!」ていうニュースがありましたね。

おお〜まじか〜と思いつつ、(記事の中でも触れられていますが)“イラクの村”というところに若干の引っかかりを感じていたら(コモドドラゴンの生息地は主にインドネシアと言われています)、iZooの動物園園長さんはイラクとイランに分布している(コモドドラゴン風の?)生物を合成した動画だとコメントしていました。
はたして実際のところはどうだったんでしょうね?

この話を読んでふと思い出したのが、昔は「コモドドラゴンに噛まれたら口腔内の雑菌が感染して敗血症になって死ぬ」なんて言われてたこと。
まぁ今ではそれが誤りであることが分かっていて、雑菌ではなくそのままストレートに「毒で死ぬ」ってことだったらしいのですが。
(でかいし強いし怖いし、あんなのに襲われて死ぬのは雑菌だろうが毒だろうがどっちにしろ嫌ですけど。)

コモドドラゴンに噛まれて死亡するのは毒が原因だったということでいいんですが、(人間も含めた)咬み傷が元で感染症になる、っていうのはわりと一般的な考え方です。

人間を含め、動物の口腔内にはたくさんの菌が存在しています。
有意な菌は動物種により(そしておそらく生活環境や年齢によっても)異なりますが、その種類は犬や猫で400種とも500種とも言われています。(猫は犬より少ない傾向にあるようです。その一方で人間は1000種以上もあるとか!)

口腔内の細菌数が増えすぎないように抗菌性物質を含む唾液ががんばっていますが、そうは言っても10^5オーダーで存在しています(腸管内なんかだとこの桁が2桁以上増えます)し、そもそも個体内で完結すると想定されるものであって、イレギュラーな状況ではあまりそこに期待しない方がよさそうです。上記の数は「細菌の種類の数」であって傷に入り込んだ細菌の量やどの種類か、「ではない」ですし。

基本的に細菌でもウイルスでも別個体に感染するときにはある程度の「絶対量」が必要とされますが、多種の細菌が侵襲する場合、それらの種類によっても感染した時の「症状のキツさ」が異なったりするし、その個体の「頑健さ」も違うので炎症の大小等は一概には言えません。

「たくさんの雑菌が存在する状況でのケガ」は想定できる状況が多すぎて治療するお医者さんは大変ですよね。

「症状の重篤さ」で「最もひどい想定」が死亡である場合、対応としては「できる限りしっかり」治療することが選択されます。
具体的にはこの場合、噛み痕を整復してから抗生物質を服用することになりますね。
どの動物種に噛まれてもこの辺りの対応は共通しているので、早い段階でどれだけ傷を清潔に整復できるか、によって予後は変わると思います。

ここでよく出てくる話として「近すぎるペットとの距離」は危険なのか、というものがあります。

簡単に言ってしまえば「危ない」になると思います。

動物は傷を舐めて治すから唾液はむしろ抗菌性が高いんじゃないかとか思いがちですが、これは単純に「土壌や外気など周辺の環境にある雑菌にさらされるよりは菌量が減るかもしれないし、何より痛いし気になるし血の味もするから舐めちゃう」けど「自己回復力により治癒した」ということなんじゃないかと思います。(まぁこの辺りは「俗説」によって解釈しちゃいがちなので慎重に判断すべき部分ですけどね)

よく「生き物と触れ合った後は手洗いしましょう」ってありますが、動物は基本お風呂に入らないし体表をよく舐めてたりしますからこれはそのとおりだと思います。
健康な個体であればすぐにどうこういうことはないでしょうが、必要のない菌まで共有することはないでしょうし、ここは医療関係者として手洗いした方がいいですよ、とは書いておこうと思います。

ということで、コモドドラゴンに噛まれて死ぬのは毒のせいかもしれないけど、雑菌も相当こわそうだから、噛まれないように気をつけるに越したことはないよね、という話でした。

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